UDと利用者評価
関連分野:利用者評価、デザイン、設計、企画、経営
2008年6月1日
2003年、500人の色々な性別、能力、特性の人が集まり、ユニバーサルデザインであるということで、発売されている「食器」20種類程度を、実際に食べたり、飲んだり、洗ったりしてみるという参加型の実験が行われました。
その結果、使いやすいと評価されたのは、なんとその中のたった1割で、残る9割の製品の工夫は、かえって使いにくいという評価も少なくありませんでした。
より使いやすくなること、使える人が増えることがユニバーサルデザインです。開発者が、いくらユニバーサルデザインを意識して取り組んでも、実際の利用者に「判りにくい」「使いたくない」と評価されてしまえば、それは残念ながらユニバーサルデザインとは言えません。
このように、ユニバーサルデザインかどうかは、製品を作ったときに決まるのではなく、「実際の利用者に使ってもらったとき」にわかることなのです。つまり、提供者ではなく、利用者がユニバーサルデザインの評価者であるということです。
この認識が、製品開発プロセスに活かされていなかった為に、提供者の意図とは違う、実際には使いにくいモノ・空間・サービスをうみだしてしまったのです。
提供(発売)前に一般利用者に実際に使ってもらい、お客様に喜ばれることを確認した上で、使いやすいモノ・空間・サービスを提供することで、確実で効率的にユニバーサルデザインを実現していくことができます。
最近はこの重要性に、多くの企業が気付き、注目し始めています。