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コラム

ユニバーサルデザインの「デザイン」とは?

関連分野:建築、百貨店、図書館

2010年1月1日

ユニバーサルデザインで大切なことは、どんな工夫がしてあるか?ではなく、本当にその工夫が全体を通して、利用者の生活に良い影響を与えていることを実現できているかどうかです。「デザインそのもの」ではなく、その先にある影響をデザインすることができて、初めて、本当のユニバーサルデザインだと言えます。

例えば、建築物の入口にスロープが付いたとします。これは、この工夫をしたから車椅子利用者が利用できるようになった、と思われますが、それだけではユニバーサルデザインとは言えません。何故なら車椅子利用者の方がその建築物に訪れた目的を問題なく達成できるか、という点が1番重要だからです。入口のスロープは、目的を問題なく達成するための一つの要素でしかないのです。

建築物であれば、この目的は様々です。例えば、図書館であれば、問題なく図書を調べ、選び、借りられる。トイレも行ける。百貨店であれば、目的の品物を探せる、聞ける、試着できる、昼食を食べれる、ウインドウショッピングを楽しめる、トイレへ行ける、等です。

ただ単に、スロープを付けた、手すりを付けたということだけではなく、「目的を問題なく達成できる」という点に着目する視点がユニバーサルデザインの実現のためには欠かせないのです。車椅子利用者だけでなく、人の様々な特性を理解して、その特性ごとに配慮すべき内容は異なってきます。

つまり、ユニバーサルデザインの「デザイン」とは、色や形の単なる工夫ではなく、物や建築物、サービスを通じて、その先にどんな影響を人に与えるのかという、この影響をデザインする、ということなのです。

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