重度の聴覚障がい者が運転免許を取得できることに
関連分野:聴覚障がい、調査、自動車運転免許、道路交通法
2008年10月1日
2008年6月の道路交通法の改正により、今まで普通自動車免許が取得できなかった重度の聴覚障がい者の方も、普通自動車免許の取得が出来るようになりました。実はこの改正は何十年も前から聴覚障がい者の方から寄せられていた念願の改正でした。
今まで重度の聴覚障がい者は、クラクションが聞こえない等の危険予知に不安があるとして、普通運転免許が取得できませんでした。しかし、今回の改正に向けて、聴覚障がい者等の方々からの要望によって、警察がまず「調査」を行い、この結果を踏まえて予測できる危険に対して、モノによって解決策を考え取り入れることによって、普通運転免許の取得に道が開けたのです。
今回重度の聴覚障がい者の免許取得を可能にした「モノによる対策」は2点です。
- ワイドミラーを装着
- 聴覚障害者標識の表示
この2点の対策を行うことで、聴覚障がいの方の車の運転免許取得が可能になったのです。
ここで重要なことは、様々な要望に対し、なぜ出来ないかの理由を探すのではなく、本当に出来ないのか、どうすれば出来るのか、を探すことを念頭に「調査」が行われることが非常に重要な点です。
さらに、今回の改正で行われた対策に関して、今後も検証を重ねていくことで、より良い形を常に模索していくことも大切です。聴覚障がい者標識に抵抗のある人もいらっしゃると思いますし、別の効果的な装置などが今後開発されるかもしれません。
免許取得の許可が下りるまで、非常に長い期間がかかってしまったことは残念なことではあリますが、このプロセス変化の重要性に多くの組織が気づき、実行されていくことによって、より多くの人が暮らしやすい社会が実現されるのだと思います。