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コラム

学校とユニバーサルデザイン

関連分野:教育 学校 建築

2010年3月1日

学校のユニバーサルデザインと言えばまず何が思い浮かぶでしょうか。例をいくつかあげてみましょう。

  • 車いす利用の学生が入学しても問題のない設備、システム。
  • 非常時の緊急避難先として、色々な特性の人が利用できる設備。
  • 色々な特性の学生へ配慮したテスト方法の採用。
  • 学習障がいの学生へのPC利用許可の特例。
  • 特性に応じた特別な授業と通常の授業を選ぶことができる。

その他にもいろいろ思い浮かぶことはあると思いますが、方向性で分類してみましょう。

  • 1、建築物としての学校のUD(平常時と非常時)
  • 2、受験システムのUD
  • 3、学習方法のUD
  • 4、学び方、学ぶ場所を選択できる、という意味のUD

建築物や設備としてのユニバーサルデザインの実現も学校においては非常に重要ですが、それだけでは十分ではありません。

学校は本来、学問を学び、学んだ成果を確認し、学問以外のことも学び、友情を育み、体を鍛え、色々な人と接して、切磋琢磨する場所です。そのことを色々な特性を持った学生が、広く実現できるような施設、工夫、制度、仕組みを目指すことが重要です。

さらに生涯教育や非常時の非難拠点としての役割も考えていく必要があり、そのことは、「学校施設バリアフリー化推進指針(文部科学省)」でも、基軸となっています。

文部科学省ではユニバーサルデザインの実践事例などの紹介も行っていますが、ユニバーサルデザインの難しいところは、同じ工夫をしても、同じ効果が得られるとは限らないという点です。場当たり的な工夫をしても、学校の先生に負担が集中したり、学生にとって逆に居心地が悪い状態になるといったことになる場合があります。

学校のユニバーサルデザインと一言で言っても、必要な配慮は多岐に渡っています。全体をきちんとユニバーサルデザインの方向性でコーディネートできる人に指導をしてもらう、もしくは学校全体でユニバーサルデザイン視点で重要となる人の特性や、必要な配慮などを勉強したり、調査したりしながら、みんなで一緒に取り組んでいくという姿勢が大切です。

学校をユニバーサルデザインにしていくことは、生徒や先生のためになるだけでなく、災害時に地域の方の命を救うことにもつながってくる大切な取り組みですから、今後の展開が楽しみです。

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