知っておきたい、ユニバーサルデザイン商品や具体例の調べ方(2)
ユニバーサルデザイン、商品、具体例、教育、情報発信、検索、方法
2011年2月2日
ユニバーサルデザイン情報を調べる際、どのような調べ方をする場合であっても、まず、知っておきたいことがあります。それは、ユニバーサルデザインに関する情報を調べる際の注意点です。今回は2つの注意点について、理解を深めたいと思います。
1、ユニバーサルデザイン情報は、単に「情報の一部分しか公開されていない」ことが多い。
まず、1の点について、「東京都が発行している、ユニバーサルデザインに関連する情報をWEBページで調べる」ということを例に取り上げてみたいと思います。
「東京都 ユニバーサルデザインガイドライン」というキーワードで、yahooやgoogleといった検索エンジンで調べてみると、「福祉のまちづくりを進めるためのユニバーサルデザインガイドライン」という東京都ページがトップに表示されます。(2011年1月現在)
しかし、このページに全てのガイドラインが掲載されているわけではなく、実際には、先述のガイドラインの他に、以下のガイドラインがあります。これらは、ある程度どんなガイドラインがあるか知らないと検索が難しいかもしれません。
- 都立建築物のユニバーサルデザインガイドライン
- 東京都福祉の街づくり条例の施設整備マニュアル(有償)
(表紙、目次、概要/建築物編/道路編、公園編、公共交通施設編、路外駐車場編/引用・参考文献) - みんながまた来たくなるお店作り 接客研修
- 店舗等内部のユニバーサルデザイン整備ガイドライン(最新のガイドライン)
さらに、上記で全てかと思いきや、実はWEBページ上に公開されていない情報もあるのです。
例えば、「国内外旅行者のためのわかりやすい歩行者用案内サイン標準化指針」「国内外旅行者のためのわかりやすい鉄道用案内サイン標準化指針」はWEB上に掲載されていません。(2011年1月現在)
両指針とも、平成20年の初めに発行されましたが、WEB上での公開はしておらず、発行元である産業労働局 観光部 振興課に確認したところ、今後も行う予定はないということです。
また、「福祉のまちづくりを進めるためのユニバーサルデザインガイドライン」は、2009年10月に改正された条例があるため、一部、古い情報がありますので、内容については福祉保健局生活福祉部地域福祉推進課に確認が必要です。(2011年1月現在)
このように、ユニバーサルデザイン情報は、単に「情報の一部分しか公開されていない」ことが多いので、大体どんな情報があるかどうかを事前に知識がないと自力で探すのは難しいことがあります。
もし、前提知識を確認できる人が身近にいない場合は、どうすれば良いでしょう?関係各所に手当たり次第、確認してみるのが一番確実です。ただし、ほとんどの機関は調査研究が目的ではありませんので、機関や担当者によっては、すべての情報を把握していないこともあるということを知っておきましょう。
2、ユニバーサルデザイン情報は「情報そのものに偏りがある」場合がある。
ユニバーサルデザインを調べるとき、「ユニバーサルデザイン」自体について調べたり、「具体例」や「商品」を探す人が多いようです。
どの情報源であっても、特に気をつけなくてはいけないのが、「ユニバーサルデザイン商品」や「ユニバーサルデザインの具体例」を調べるときです。商品や具体例の場合、元をたどると「広報・宣伝のための情報」がベースとなっていることが多いため、情報に偏りがある場合が多いのです。
一見良いことばかりが目に付くユニバーサルデザインですが、実は、知識不足・情報不足・技術不足により、提供者が思ってもみなかったマイナスの影響が出てしまうこともあります。しかし、マイナスの情報は「広報・宣伝のための情報」の中には記載されていないため、気付くことが非常に難しいのです。
現実問題としては、リスク情報について、独学で学ぶことや情報を入手する事は非常に困難です。やはり提供者として必要な知識についての専門的な教育を受けるという道しかなく、提供者の学習の姿勢が問われています。
次回は、情報ごとの調べ方のコツをお伝えしたいと思います。