社員研修とユニバーサルデザイン
関連分野:社員研修 社内教育 ユニバーサルデザイン 人の特性
2009年12月1日
社員研修にユニバーサルデザインを取り入れる際の注意点は、様々な身体的な障がいのみを取り上げ、特別に配慮が必要な人だと理解するところで終わってしまう、ということがないようにすることです。
一番重要な点は、「障害者とは現在の製品や建築物、交通機関の状況では何らかの問題があり、そのため社会生活、日常生活に障害が出ている」という意味での「障害者」であるという点を、しっかりと理解するということです。つまり、製品や建築物、交通機関の状況が変わる事によって、障害は取り払えるという視点です。
そして、このような視点で見てみると、生活に障害が出ている人は、何も障害者手帳を持っている人ばかりではないことに気づくはずです。障害者認定を受けられない方や、一時的にケガをしている人、高年齢者、妊婦、忘れっぽい人、機械やコンピューターに苦手意識のある方等々、このように考えると想定すべき対象利用者が幅広いことが理解できます。
対象の製品や建築物によって、配慮が必要な人の特性は違う場合があります。自分の製品や建築物に配慮が必要な人にはどんな人がいるのか、をまず理解するために、「人の特性」に関する知識はこれから分野を問わず必要となり、そのため、幅広い「人の特性」に関するユニバーサルデザイン視点の社員研修の必要性が出てくるのです。
このような視点でのユニバーサルデザインの社員研修は、基礎研修として社員全員に受講させることが、経営上にもプラスになり、企業の社会的責任(CSR)という意味でも重要になってきています。